ロマン主義「未開の地を行く人びと」

近代美術として知られている「ロマン主義」は、19世紀以降フランス革命が生んだ美術様式などと言われることがあるようですが、そこには荒々しいタッチや鮮明なる色彩をもって作家たちが作品作りに挑んだ様子をうかがい知ることができます。「新古典主義」と比較されることが多い「ロマン主義」でありますが、新古典主義の古風で整然とした作風とはことなり激情溢れる描写がみられることが「ロマン主義」の大きな特徴でもあるようです。この時代の絵画作品には人間のうちなる狂気的な感情や、自然環境の破壊的な猛威の前に何も成す術がない人々の姿が描かれているのは、精神面や地上における未開の地へと果敢にも立ち入っていく人々の姿がそこにあったことからなのかもしれません。

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